衛星や航空機などによって行われていた航空写真測量も、ドローンの登場により大きく変化しています。
これまで航空写真測量をするためには、航空測量事業者に依頼し、日程の調整、高額な費用などが必要でしたが、空撮測量ドローンを使うことで簡単にできるようになりました。
測量用ドローンの最大の魅力は、機材を乗用車に積み込み現場に移動し、自らのスタッフだけで簡単に撮影できることです。
講習を受けた社員が操縦し、ドローンによる空撮測量を実施。事務所で予めプロットされた飛行ルートを自動航行し、撮影することもできます。
撮影されたデータは即パソコンに取り込みオルソ画像を作成、データ解析により3次元地形モデルを作成します。
また、ドローン測量は低空から撮影できるため、航空機からの撮影に比べより高精度の画像を得ることができるため、精度の高い測量が可能です。
災害被災地などでは、時系列的にドローンを出動させ、地形の変化や刻々と変わる被害の進行状況を把握することもできます。
2017年09月には、エンルートと株式会社トプコンによる、世界で初めて標定点を不要とする空中写真測量システム『TSトラッキングUAS』を発表。
『TSトラッキングUAS』は、地上のトータルステーションでドローンを自動追尾しながら、標定点設置なしで高精度のデータを収集。
空撮測量のさらなる省力化、合理化を実現するシステムとして大きな期待が寄せられています。
ドローンによる空撮測量のメリット
- 測量会社も建設会社も他業種の方も、どなたでも手軽に空撮測量が可能
- 小型、軽量で持ち運びも簡単、機動力に優れている
- 講習を受けることにで社員が操縦できる
- 低空で飛行するため高解像度な画像が得られる
- 撮影後、解析までスピードに対応できる
標定点設置が不要なドローン空撮測量システム『TSトラッキングUAS』
従来の空撮測量法では、空中から撮影するカメラの3次元位置を測定するために、多数の標定点を地上に設置して写真に写しこむ必要があります。
しかし、標定点を設置、計測する作業は熟練と経験が必要であり、設置や撤去を繰り返すなど、作業効率の点で大きな課題がありました。
そのような中、2017年3 月、国土交通省のドローンを用いた空中写真測量の作業要領が改訂され、『カメラ位置を直接計測できる手法を併用する場合は標定点の設置や観測を省略できる』ことが認められました。
エンルートでは、カメラに専用のプリズムを取り付け、自動追尾型トータルステーションで連続測定することで標定点設置の不要とするトプコン社製『空中写真測量システム』に対応した専用ドローン『QC730TS』を世界初で開発し、発売を開始しました。
これにより、ドローン空撮測量の作業工数や費用をさらに抑えることができ、IT時代に即した合理的な空撮測量が可能となりました。
TSトラッキングUAS
自動航行機能をパッケージで用意 複雑な飛行経路も簡単に作成でき自動飛行
エンルートでは、指定したエリアをGPS自動航行機能で飛行し、撮影できる観測用ドローンパッケージを用意しています。
自動航行可能な長距離飛行対応機種をベースに、キャリングケース、充電器、プログラム用ノートPC、トレーニングなど、すべてをワンパッケージ化しました。
ノートPCには、飛行プログラムを行うソフトはもとより、飛行状態をリアルタイムにモニターできるテレメトリーシステムも設定済みです。
セットを購入すれば追加機材なしで、撮影から解析、3次元地形モデル作成まで一貫した作業を行うことができます。